怖い嫁と二匹のトラネコ おばぁちゃんと満月

一昨日は満月だったそうです。
で、染めの作業が終わり片づけていると
前に住んでいるおばぁちゃんが
ウチの隣のビルの間を凝視していました。
私を見つけるとおばぁちゃんが
「今日は満月なのよ。私は毎回、満月を見るのが楽しみでねぇ。
今も見ていたところなのよ。」
私「満月を見ると体に良いらしいですよねぇ。」
おばぁちゃん「あら、そうなの。長生きできるかしらね。
あなたも見なさいよ、ほらほら。」
と隣のビルの間に呼ばれました。
私「どこですか?」
おばぁちゃん「ほら、あそこ」
指をさした先には何もなく、もう一度「どこですか?」と聞くと
おばぁちゃん「あの木の間から見えるでしょう。
今、建物から上がってきたところなのよ。綺麗でしょう。」
私「えっ、木の間のあの光ですか。」
おばぁちゃん「そうそう、上がったばかりは綺麗よね。」
私「あの~、あれは隣の道の街灯ですよ。」
おばぁちゃん「うそでしょう、あれは満月よ~。」
この時の時間は18時半。
私「この時間だとまだ右の方ですよ。とにかくあれは街灯ですよ。」
と言い辛かったけど教えてあげました。
するとおばぁちゃんは
「何年もの間、毎回、あれが満月だと思ってた。
じゃぁ、どこから見られるのかしら?」
私「ウチは三階だけどこの時間は見られないですよ。」
するとおばぁちゃんは寂しそうに
「そうなの~、今まで楽しみに満月だと思ってたのに。
願い事とかもしていたのよ~。はぁ~。」
と落胆してお家に帰りました。
次の日の朝におばぁちゃんに会うと
「あれからこの近辺を散々歩いたけど結局、満月は見られなかった。」
とまた寂しそうに言いました。
私は「今度ウチから満月が見られたら教えますから一緒に見ましょう。」
と言うと「そこまで迷惑かけてまで見たくない。」
と返されてしまいました。
何とかしておばぁちゃんに満月を見せられないかな~。
今日の音楽はオリジナルラブの『月の裏で会いましょう』
♪街の奇跡をあなたにあげたい~♪
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